「ねえ・ねえ・ねえ」は森まどかのセカンドシングルで「私の16才」は小泉今日子のデビュー曲ですが、これらはタイトル違いの同じ曲。そして、どちらもディレクターはビクターの中継ぎのエースと言われた高橋隆氏。
何度か話題にしている「ヒットソングを創った男たち」(濱口英樹著)にこの人のインタビューが掲載されていて当時の事情を知りました。
「森まどか」の方はそれほど陽の目を見なかったのが、小泉今日子のデビュー曲を作るにあたって「こういう感じで」とプレゼンしたら事務所の社長は「これで行こう」となったとか。高橋氏は別に最初からカバーで行こうと思わなかったそうです。
その後の話で意外だったのが、「キーが違うのでオケは録り直しました。」という部分。実は20年くらい前に図書館で借りてきた「アイドル宝石箱」というCDにどちらも収録されていて、私はその時に初めてキョンキョンのはカバーであり、これらが異名同曲であることを知りました。
そしてそのCDでは続けて収録されていたわけではなく、アレンジがほとんど同じだったことから、これらはキーも同じだとずっと思ってました。なので、そのインタビューを読んで「はて?」と。
それが引っ掛かってたので実際聞き比べてみたら、キーは「ねえ・ねえ・ねえ」がB♭m、「私の16才」がBmなのでキョンキョンの方が半音高いのでした。半音の違いくらいだとわからないものですね。知りませんでした。
森まどかの方が声が太いと感じますが、そこはキーが半音低いというだけではない気がします。どちらがいいかというのはまったく個人の好みになりますが、あえていうと私は森まどか派。音符の長さは同じはずなのに、音というか歌声がギュッと伸びている気がして歌が上手いというのはこういうところにも表れるのだろうと思う次第。まあキョンキョンもレコードで聞くと結構いいのですが、当時歌番組で聞いた時は「この曲はいつ盛り上がるのだろう?」とか思ってました。
森まどかという人は、あの「ピクルス」の一員だったそうでそのピクルスがテレビのコッキーポップに出た時には見てました。あの時にいたのかどうかも不明ですが、何しろ人数多かったですしね。何人いたかわかりませんけど。
原曲とカバーでキーが違うというと「まちぶせ」の三木聖子と石川ひとみもそうで、そちらは石川ひとみ版の方が半音高いです。この話は何回も記事にしてますが、気になる人はこちらをどうぞ。
なお、こうやってキーが変わるのはカバーだけじゃなく、甲斐バンドの「裏切りの街角」はレコードよりライブが半音高いです。「感触」は逆にライブの方が1音低いですけど、そこも特に違和感はなかったり。
個人的な感覚としてはアレンジが同じでもキーが変われば違う曲に聞こえると思ってたのですが、そうでもないということですね。ま、キーが違うとアレンジが同じと言えるかどうかはまた別の話で。